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掛川100景 【No.3】 遠州横須賀凧

奇想天外なデザインと鮮やかな色彩の遠州横須賀凧


遠州横須賀凧(えんしゅうよこすかだこ)は、約500年の歴史を持つ地域の伝統文化です。

戦国時代、凧は遊び道具ではなく、敵陣地の測量や通信手段などに利用されていました。

現在のような『凧遊び』『祝凧』として親しまれるようになったのは、江戸時代のこと。※注1

第14代横須賀城主が、江戸から参勤交代で凧遊びを持ち帰ったことが、遠州横須賀地域で凧揚げが盛んになったはじまりだと言われています。

※注1
祝凧とは、出産や誕生祝い、節句、結婚式などの慶事を祝うために作られる装飾的な凧。縁起の良い文字や絵が描かれ、観賞用や贈り物としても用いられています。


遠州横須賀凧をどうミルか?👀

👀01. 遠州横須賀凧のデザイン

江戸時代に凧揚げは、庶民の間で広まり、遠州横須賀地域では『巴(ともえ)』『とんがり』『べっかこう』『ぶか』など、たくさんの独創的なデザインの凧が生まれました。

これだけの種類があるのは、全国的にみても非常に珍しいことです。

目の部分がぐるぐると回る仕掛けの『べっかこう』凧(写真右上)

👀02. 巴凧の歴史的な意味

遠州横須賀凧を代表する、最も有名な凧が『巴』です。

凧の上部は、横須賀初代城主・大須賀康高公率いる徳川方の三ツ巴紋。菱形の中段は武田方の菱紋、そして遠州灘の荒波と砂丘の風紋を表しています。

下段は、徳川家康の軍扇となっており、徳川方が武田勢を挟み撃ちにしている様子を表していると伝えられています。

空に舞う『巴』凧。戦国時代に思いを馳せてみてください。

👀03. 伝統文化をどう継承していくか?

遠州横須賀凧は、和紙と竹を使い、すべて手作業で作られています。

凧づくりは、材料(骨組み)となる竹を採取するところから始まります。
採取した竹は、水分を多く含んでいるため、天気が良い日に天日干しを繰り返します。竹が黄色くなってくると乾燥した合図。和紙に貼り付けて絵を描きます。

現在、遠州横須賀凧のつくり手は、ほんの数名にまで少なくなってしまいましたが、伝統文化を守るため、若い後継者も修行に励んでいます。

凧職人である祖父の後継者として腕を磨く石川隼大さん。
県外での展示や凧揚げ実演、海外アーティストとのコラボレーションなど
遠州横須賀凧の伝統を守り、魅力を伝えていこうと活動中です。

👀04. 遠州の空っ風と凧揚げまつり

毎年2月の第1日曜日に、遠州新年の風物詩である『遠州横須賀凧揚げまつり』が開催されます。

横須賀凧をはじめ、全国から様々な凧が集まり、空を美しく彩ります。

職人が自ら作った凧を揚げている様子を間近に見られる貴重な機会で、『遠州の空っ風』を受けて、空高く舞い上がる美しい凧を見ることができる光景は圧巻です。

◼️ 抜け道&寄り道100景~遠州横須賀凧

・東京ディズニーランドにも『巴凧』は飾られている
・掛川市内の公共施設や飲食店で、遠州横須賀凧をいくつ見つけられる?


遠州横須賀凧
遠州横須賀凧揚げまつり会場: 掛川市西大渕3301番地
ホームページ :掛川市観光協会ホームページ情報
Instagram:yokosuka_tomoe_kai

アクセス
掛川駅から車で30分