掛川100景 【No.38】 清水邸庭園
歴史と自然を感じられる邸宅内の回遊式庭園
『清水邸庭園』は、古い町並みの残る横須賀地区にある回遊式庭園です。
かつて地元の豪商であった清水家の邸宅内の庭園で、現在は一般公開されており、誰でも無料で見学できます。
庭園では、1月中旬から2月初旬の梅、春には桜や新緑、秋の紅葉など四季折々の景色が楽しめます。
清水邸庭園をどうミルか?👀
👀01. 『静岡県みずべ百選』にも選出された自然を感じる庭
清水邸庭園は、大きな池があり、湧き水を上手に利用して水の豊かさと清らかさを表現した庭園です。
1991年に『静岡県みずべ百選』に選出されています。
表門をくぐり、右手に歩くと大きな池が見え、その周りを歩きながら庭を鑑賞できます。松をはじめとした木々は、季節によりその趣を変え、おだやかな時間が流れています。
池の横を歩いて進んだその先にある『湧水亭』は、伝統的な数寄屋造りの建物です。
『湧水亭』では、庭園を眺めながらお茶を味わうこともでき、日本文化を体験できる場として県外や海外からも訪問者を集めています。
👀02. 歩きながら景色の変化を楽しむ回遊式の庭園
回遊式庭園とは、建物内から眺める庭とは違い、歩きながら見てまわる庭のことを言います。庭園の中を歩くにしたがって、景色がどんどん変化していくように計算して設計されているのが特徴です。
例えば日本三名園(茨城県の偕楽園、石川県の兼六園、岡山県の後楽園)も回遊式庭園です(大名庭園とも呼ばれています)。
清水邸庭園でも、大きな池を中心に、効果的に木々を配置して、歩くに連れ見える景色が変わるように造られており、来園した人はその移り変わりを楽しむことができます。
👀03. 大きな庭園を作る意図
多くの回遊式庭園は、領主や富裕層が自身の財力や美意識を示すために造営されました。豪華な造りを持つものが多く、政治や文化の舞台としても機能しました。
清水邸庭園を造った清水家は、江戸元禄時代に回船問屋を営んでいた旧家で、藩の御用達を勤めていたそうです。回船問屋とは、船の積み荷を扱う問屋ですが、この地域の流通を支えて清水家も繁栄していたと考えられます。
時代ごとの文化や社会の変化の中で形成された庭園も、誰が何のために造ったのか知ることで新たな発見があります。
清水邸庭園を訪れた際は、庭を回遊しながら、清水家の方のどのような意図がこの庭園に込められているか想像してみるのもよいでしょう。