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掛川100景 【No.2】 大手門

歴史と風格を再現した掛川城大手門を訪ねて

掛川城大手門(おおてもん)は、歴史の重みと復元された美しい姿が調和した名所です。

大手門の前の通りは、かつての掛川におけるメインストリート。今も城下町の趣を残す建物を多く目にすることができます。

情緒あふれるまち並みの中に佇む大手門の姿は、訪れる人々に歴史を感じさせるだけでなく、まちの誇りと未来への希望を示しています。



大手門をどうミルか?👀

👀01. 大手門は倒壊や焼失を乗り越えた不屈の門!?

掛川城大手門は、地震や火災を経て失われた後、平成7(1995)年に復元されました。

その原型は嘉永の地震で倒壊し、再建されたものの、明治時代に火災で焼失。その後、発掘調査と当時の設計をもとに現地で再現されました。

現代に甦った大手門は、掛川市の歴史を語るシンボルであり、地域の過去と現在をつなぐ大切な存在です。

歴史の断絶を越えた再建のドラマに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

👀02. 大手門と番所の建築美に触れる

掛川城大手門は、木造日本瓦葺き入母屋造り(いりもやづくり)の格式高い建築が特徴です。

入母屋造りとは、屋根の上部が切妻造り(きりつまづくり)、下部が寄棟造り(よせむねづくり)になっている建築を指します。

切妻造りは屋根のてっぺんから本を開いてかぶせたような形の屋根、寄棟造りは4つの方向に傾斜する形の屋根を指していて、大手門の屋根はこの2つが組み合わさった形状になっているということです。

白壁の上にある瓦部分の屋根が入母屋造り。下からだとちょっと分かりにくい?
横から眺めると寄棟造りの屋根面が手前に見えて、その上の切妻造りもちゃんと見えますね

また大手門の北にある番所は、江戸時代末期に建てられた監視のための詰め所で、城内と掛川宿をつなぐ唯一の施設でした。

全国でも珍しく現存する番所として、当時の役人たちの緊張感を今に伝えていて、どちらの建物からも歴史と芸術の融合を感じられます。

👀03. 探してみよう!以前建てられていた大手門の正しい場所はどこ?

大手門の中には『礎石根固め石(そせきねがためいし)』なるものが展示されています。

礎石というのは門柱の土台となる石のこと。そしてその礎石を支えるために重ねられた河原石を『礎石根固め石』と呼びます。

大手門は大きくて重量のある門なので、傾いたりしないよう、こういった工夫がされていました。

当時の礎石根固め石が展示されています

ちなみに今の大手門がある場所は、以前建てられていた場所とは位置が異なるのをご存知でしょうか?

平成7年(1995)周辺の区画整理のため位置がずらされており、今の位置から約50m南が本来の場所です。

そして本来の大手門の柱(根固め石)の場所は、今でもわかるように道路の色をわざわざ変えているとのこと。ぜひ探してみてくださいね。


大手門
所在位置:〒436-0091 静岡県掛川市城下27番地(大手門)・城下6番地3(大手門番所)
ホームページ:
掛川市観光情報(大手門・大手門番所)

アクセス
JR掛川駅北口 徒歩10分