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掛川100景 【No.60】 資生堂企業資料館

資生堂企業資料館で感じる、日本の美の移り変わり

『資生堂企業資料館』は、掛川市にある資生堂の企業ミュージアムです。

1992年4月に資生堂創業120周年を記念してオープンし、資生堂の掛川工場に隣接しています。

資生堂企業資料館は、日本の化粧品文化や美意識の変遷を一望できる施設として、美の歴史を辿る機会を提供しています。

『企業資料館』と聞くと固いイメージがありますが、施設内はどんな感じなのでしょうか?

資生堂企業資料館をどうミルか?👀

👀01. 美の進化を体感できる時間旅行

資生堂企業資料館は、1872年の創業から現在に至るまでの資生堂商品や広告を年代順に展示しており、まさに日本の美の歴史を辿る時間旅行を体験できます。

1階では、創業から100年目までの商品展示や明治時代の銀座ジオラマ、販売員の歴代コスチュームなどが展示されています。

精密につくられた明治時代の銀座ジオラマは圧巻です(写真:資生堂企業資料館提供)

特筆すべき展示品は、資生堂初の化粧品『オイデルミン』の現物や、ロゴタイプ、花椿マークの変遷など。
また、明治時代の「福原衛生歯磨石鹸」(日本初の練歯磨)や大正時代の「着色福原粉白粉七種」(7色展開の白粉)など、時代を象徴する貴重な展示品も見ることができます。

大正時代につくられた7色展開の白粉。色味がとてもきれいです

2階では、創業から現在までの広告やポスター、101年目以降の商品が展示されており、日本の広告デザインの変遷も一目で理解することができます。

その時代ごとの資生堂の広告や商品を見ることができます

👀02. 学術的価値の高い企業ミュージアム

資生堂企業資料館は単なる企業PRの場ではなく、高い学術的価値を持つ施設として国際的にも評価されています。

資生堂企業資料館に保存されている約2万点の画像データは、マサチューセッツ工科大学(MIT)の講義教材として活用されたこともあり、日本の歴史や文化を学ぶ貴重な資料となっています。

商品に使われたロゴやフォントも貴重な資料です

施設2階にはライブラリーがあり、資生堂に関連した約150冊の図書資料を閲覧できます。

中でもぜひ手にとってみてほしいのが『花椿(はなつばき)』です。
花椿は資生堂の企業文化誌で、美容やファッション、カルチャー、社会課題など、現代を美しく豊かに生きるためのヒントを提案しています。

手にとるだけでワクワク感が高まり、好奇心が刺激されます

ライブラリーには花椿のバックナンバーが置かれており、その時代時代の視点の移り変わりを感じることができます。

👀03. 資生堂の関連施設との豊かなコラボレーション

資生堂企業資料館の魅力は、単独で存在するのではなく、周辺の関連施設との連携にも表れています。

隣接する資生堂アートハウスでは美術作品の鑑賞が可能です。加えて、隣接する保育施設『カンガルーム掛川』では2024年10月から『保育園留学』のプログラムがスタートしました。

子どもたちが育つ身近な環境に文化的な施設があることは、子どもたちの教育においても重要です。

資生堂企業資料館と資生堂アートハウス、いずれも大人向けの施設ではありますが、家族で美やアートに触れる時間は貴重なものになるでしょう。

また施設周辺には想像力をかき立てるオブジェが点在しており、子どもと一緒に周辺を散策するだけで十分に楽しめます。

歩いているだけでおもしろいアイデアが浮かんできそうです

資生堂企業資料館は、日本の美の歴史を辿る貴重な場所であると同時に、資生堂の企業文化を体現する重要な施設といえるでしょう。

◼️ 抜け道&寄り道100景~資生堂企業資料館

  • 館内のミュージアムショップでは『資生堂デザイン』をモチーフに制作されたアイテムが買える

  • 資料館の敷地内からは掛川市役所がきれいに見える


資生堂企業資料館
・所在位置:静岡県掛川市下俣751-1
・入場料: 無料
・開館時間: 10:00~16:30(入館は16:00まで)
・休館日: 毎週日曜~水曜日(祝日の場合も休館)、夏季(8月中旬)、年末年始(12月上旬~1月中旬)
・ホームページ:https://corp.shiseido.com/corporate-museum/jp/

アクセス
[車の場合]東名高速「掛川IC」より車で7分。新東名高速「森掛川IC」より車で30分。
[公共交通機関の場合]
・電車:JR掛川駅下車、南口よりタクシーで5分、徒歩20分。
・バス」:掛川駅南口より、市街地循環線(南回り)、「資生堂アートハウス 入口」下車。