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掛川100景 【No.48】 オーガニックビレッジ宣言
環境に優しい農業で未来を育む ~掛川市のオーガニックビレッジ宣言~
国が進める農林水産の取り組みに掛川市も参加を宣言
『オーガニックビレッジ宣言』は、令和3年(2021年)に策定された『みどりの食料システム戦略』を実現するために、オーガニックビレッジに取り組もうとする市町村を国が支援するシステムです。
掛川市は令和5年(2023年)4月にこの宣言をおこない、県内では藤枝市に続いて2番目に認定を受けました。
掛川市は『掛川市有機農業実施計画』を策定した上で、特に『有機農業産地づくり推進事業』の取り組みを進めています。
オーガニックビレッジ
有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取組を進める市町村のことを言います。
農林水産省では、オーガニックビレッジを令和7年(2025年)までに100市町村、令和12年(2030年)までに200市町村創出することを目標に、全国各地での産地づくりを推進しています。
みどりの食料システム戦略
SDGsや環境を重視する国内外の動きが加速していくと見込まれる中、我が国の食料・農林水産業においてもこれらに的確に対応し、持続可能な食料システムを構築することが急務となっています。 このため、農林水産省では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定しました。
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オーガニックビレッジ宣言をどうミルか?👀
👀01.オーガニックビレッジを宣言した掛川市が目指すのは輸出の拡大
掛川市の目標は、以下の通りです。
有機農業面積:令和3年(2021年)61.6ha⇒令和9年(2027年)83.2ha
有機農業者数:令和3年(2021年)44経営体⇒令和9年(2027年)62経営体
農業の中でも特にお茶は掛川市の基幹産業であり、市全体の農業生産額の約4分の1を占めています。
掛川茶は国内外で人気ですが、近年、リーフ茶(茶葉から淹れたお茶)の需要減少や農家の高齢化、後継者不足といった課題があります。
一方で、抹茶や煎茶の輸出は好調で、需要は年々高まっています。オーガニック食品への関心が高い海外市場に対応するためには、有機栽培をおこなう農家の増加と有機JAS認証の取得が重要で、そのための取り組みを進めているところです。
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👀02.オーガニックビレッジ宣言で生まれた意識と取り組みの変化
掛川市内には茶商社が約40社あり、積極的に輸出に取り組んでいます。
市では国の交付金を活用し、有機栽培技術や市場動向について学ぶ研修会も開催。研修には、市内の茶農家約60名が参加しました。
オーガニックビレッジ宣言が良い影響をもたらし、市内の農業従事者の意識と取り組みが大きく変化していることが感じられます。実際、市が目標としていた有機農業面積の拡大も、当初の予定より早く達成しています。
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👀03.有機農業の理解と選択が未来を支える
化学農薬や化学肥料を使わず、自然の力を最大限活用する栄養豊富な土づくりを基本とした有機農法は、生き物や自然環境にも優しく、生物多様性を保つ効果もあります。
掛川市では、有機栽培でつくったお米を小・中学校の給食で提供したり、有機茶葉を配布したりして、有機農業の魅力を感じてもらえる取り組みをしてきました。
その他にも、学校給食に無農薬有機野菜やお米を取り入れてもらう活動をしている団体があったり、オーガニックマルシェのイベントが開催されたり、さまざまな活動が広まってきています。
環境を守りながら、安心して食べられる食材を育てる。有機農業を知ることは、未来を作る大きな一歩になります。
掛川市のHPでは生産者の紹介とともに購入先も掲載していますので、ぜひ購入して、有機栽培で育ったお茶やお米を味わい、どのように作られ、農家がどんな想いで届けているのかを想像してみてください。
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◼️ 抜け道&寄り道100景~オーガニックビレッジ宣言
有機JASマークは、どんなマーク?
畑にはどんな虫や動物がやってくる?
学びの問い
「環境問題への意識を高めるためにできることはありますか?」
「環境に配慮しながら持続可能な食や暮らしを実現するために、どのような工夫ができるか考えてみよう」
オーガニックビレッジ宣言
掛川市役所 産業経済部 お茶振興課/農林課
所在位置:〒436-8650 静岡県掛川市長谷1丁目1番地の1
営業時間: 8:30~17:15 (平日)
※12月29日から翌年1月3日を除きます。
ホームページ :
掛川市|掛川市は有機農業を推進しています!