掛川100景 【No.31】 掛川市立中央図書館
明るく居心地のいい空間で38万の本から学ぶ
『掛川市立中央図書館』は、掛川市の中心部に位置する公共図書館です。
中央図書館は瓦屋根が使われた和風の外観で、一見すると歴史的な建造物に見えます。その佇まいは周辺にある掛川城や大日本報徳社などの重要文化財とも調和し、初めて見る人が図書館だと聞いて驚くこともあるようです。
中央図書館がこの場所にオープンしたのは平成13年(2001年)のこと。次の5つのポイントに留意しながら設計されました。
蔵書規模は約38万冊。座席数は大人用が137席(そのうち社会人専用席36席)、子ども用が41席あります。
掛川市立中央図書館をどうミルか?👀
👀01. 明るく開放的で、居心地のいい建物
図書館の外観は、掛川城や大日本報徳社など周りの景観と調和するように設計されました。和風の平屋建ての建物には大きな窓が並び、館内の様子がよく見えます。
二宮金次郎像の横を通り、館内に入っていくと、大きな窓と高い天井の天窓から光が差し込んでいて、明るく開放的な空間になっています。
見上げると木組みの柱と梁が見え、壁や机、書棚などにも多くの木が使われているため、心地よさを感じることができます。また、天窓から自然採光・自然換気をおこなったり、高気密・高断熱の構造にしたりと、環境・省エネルギーにも配慮されています。
中央部の屋根が高く、外に向かって低くなっていくため、閲覧席のあるところは屋根が比較的低くなっていて落ち着いた印象を感じます。
この建物は平成13年(2001年)に静岡県都市景観賞(報徳図書館と一体で受賞)を、平成14年(2002年)には中部建築賞を受賞しました。
👀02. さまざまなコーナーと充実した地域の専門資料
館内には『テーマコレクション』のコーナーがあります。このコーナーには特産の茶や葛布、掛川城をはじめとした、城、東海道、報徳などの掛川に関連するテーマに基づく資料が集められています。
他にも、中高生向けの小説や職業紹介の本などを集めた『ヤングコーナー』もあります。
掛川の歴史に関する郷土資料や静岡各地域の本も充実。また、昭和33年(1958年)に『赤い雪』で直木賞を受賞した掛川市出身作家・榛葉英治の遺品や、淡山翁記念報徳図書館が収蔵していた図書など、さまざまな貴重な資料も収蔵しています。
中央図書館では、図書館の資料を使って司書の方に調べ物のお手伝いをしてもらえる『レファレンスサービス』というサービスもおこなっています。
👀03. 親子で気兼ねなく利用でき、子どもが本に触れる機会
1階の北側には児童フロアがあります。一般フロアからは少し離れているので、「子どもが騒いで周りに迷惑をかける」という不安が軽減され、子連れの方も気軽に来館できるように配慮されています。
少し離れているといっても同じ階なので行き来はしやすく、子連れで児童フロアに来た保護者の方が、読みたい本を探すのを諦めることも少なくて済みそうです。
また図書館では、掛川の子どもたちに本を贈る取り組みもおこなっています。
生後6か月や2歳2か月の健診のときに、絵本1冊と、おすすめ本リストをプレゼント。健診会場に図書館の職員が出向き、0歳から図書館の利用カードを作れるという案内や、小さいころから絵本を読み聞かせする大切さを伝えています。
👀04. 知の拠点で掛川について学ぶ
掛川の歴史的象徴といえる掛川城や、二宮尊徳の唱えた報徳思想を今なお伝える大日本報徳社のそばにある掛川市中央図書館は、まさに知の拠点です。
本というものは、ある時点で誰かがまとめて印刷し製本したもの。約38万冊の蔵書規模をほこる掛川市立中央図書館は、それだけの数の想いや考え、知恵を知り感じられる貴重な場所です。
そして、これまで紹介していた通り、この図書館には知りたい、学びたいと思ったときに参考になる本が多くあり、あらゆる世代の人が本に接することができる工夫やサービスが詰まっています。
掛川のこと、生活のこと、歴史や未来のことなどをもっと学びたい、ヒントを得たいと思ったときは、掛川市立中央図書館を訪れてみてください。
◾️抜け道&寄り道100景〜掛川市立中央図書館
周りの地盤よりも低い位置にある『サンクン型』庭園が見える地下スペース
図書館入口に立つ二宮金次郎像の正面に見える建物は?
掛川市立図書館公式Xのアイコンのキャラクターは誰?