掛川100景 【No.41】 上垂木ホタルの里
人と自然の共生の場『上垂木ホタルの里』
静岡県掛川市の静かな里山にある『上垂木ホタルの里(かみたるきほたるのさと)』。
周辺を見渡すと、田んぼと畑、そして木々に囲まれた自然豊かな場所です。
毎年初夏の夜になるとゲンジホタルの光が舞い、垂木川の水面を照らします。
上垂木ホタルの里をどうミルか?👀
👀01.ホタルが生息する貴重な川『垂木川』
上垂木のホタルは、毎年5月下旬から6月上旬にかけて、垂木川(たるきがわ)の周辺で見ることができます。
観察スポットは県道81号線沿い、ねむの木学園の入口近くです。
坂下バス停のほど近くで、『上垂木ホタルの里』という看板が立てられているので、近くまで行けばわかるでしょう。
ホタルが生息する垂木川は太田川(おおたがわ)水系に属する川で、途中逆川(さかがわ)や原野谷川(はらのやがわ)と合流しながら、最後に太田川に辿り着き、海へと流れていきます。
蛍は水がきれいで、水流が穏やかな場所でないと生育できないと言われていますが、垂木川はその条件を満たしている貴重な川です。
👀02.地域ぐるみの環境保護活動がホタルの里を守っている
1990年代のはじめ頃、住宅開発や農薬の影響を受け、上垂木のホタルの数が減り始めました。
それに気付いた地域住民の手により『上垂木ホタルを守る会』が結成され、掛川市の行政、さらには小学生にまで保護活動の輪が広がっていきました。
保護活動は、川の清掃や農薬の使用制限、ホタルの産卵地の整備、水質管理などに取り組んでいます。
掛川市立桜木小学校では、総合学習の一環として、ホタルの生態や幼虫の育て方を学習したうえで、自分で育てた幼虫を垂木川に放流するなどの活動をおこないました。
自分たちの手で育てたホタルが夜空に舞う様子は、子どもたちの目にどう映るのでしょうか。
👀03.自然との共生について学べる環境が大切
上垂木ホタルの里における保護活動は、人と自然の共生について考える環境づくりにつながっています。
なぜなら、保護活動をおこなうにあたって、ホタルが好むエサや産卵する場所などについて調べる必要があり、そこから新たな気づきや学びを得ることができるからです。
例えば、ホタルはカメラのフラッシュや車のライトに弱く、灯りが繁殖に影響を及ぼします。
そこからホタルの生息地域での観察ルールを考えたり、街灯の設置ルールを決めたり、「自然を守りながら、まちに住む人たちが暮らしていくには?」を考える機会につながります。
身近なところにいる昆虫や動物の生態を知ることが、自然と調和するまちづくりのヒントになるかもしれません。
◼️ 抜け道&寄り道100景~上垂木ホタルの里
ホタルは成虫になると水しか飲まない!?
ホタルは仲間とのコミュニケーションに光を使っている