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掛川100景 【No.56】 竹の丸書院前庭園

日本の精神性と想像力を感じられる日本庭園

『竹の丸書院前庭園』は、掛川城の北側にある『竹の丸』内の日本庭園です。

江戸時代より続く葛布問屋の松本家が明治36年(1903年)に竹の丸に本宅を建築し、その本宅の横に竹の丸書院前庭園が作られました(もともと主屋の横に書院があったため、竹の丸書院前庭園と呼ばれています)。

正面奥に見えるのが主屋。左手に竹の丸書院前庭園があります


竹の丸書院前庭園をどうミルか?👀

👀01. 江戸時代から続く葛布問屋の松本家が造った邸宅の庭

『竹の丸』は、江戸時代に家老などの重臣の屋敷があった掛川城内の区画ですが、明治時代に葛布問屋『松屋』を営んでいた松本家がその土地を取得し本宅を建築しました。

本宅は主屋、離れともに近代和風建築の美しさや職人の技術力が分かる貴重な建造物で、平成19年(2007年)に市の文化財指定を受け、修復工事を経て平成21年(2009年)から一般公開されています。

その本宅にあった書院の前に広がるのが、竹の丸書院前庭園と呼ばれる近代日本式の庭園です。

平屋建て寄棟造りの主屋
離れ2階の貴賓室のステンドガラスにはどんな生き物がデザインされているでしょうか

👀02. 日本的精神性と想像力で自然を見立てた枯山水庭園

竹の丸書院前庭園は、『枯山水(かれさんすい)』という、起伏を作り木や石を配置して、石組みや石敷きなどで滝や川などの水を表現した庭です。石橋や石灯籠なども含め見どころが多い庭になっています。

紅葉の時期には、モミジが紅く染まり、離れの2階から見える掛川城の白壁とのコントラストも楽しむことができます。

日本庭園は、自然の要素を人の手で形づくりながらも、自然そのものを尊重するという日本らしい哲学に基づいています。ぜひ竹の丸書院前庭園を訪れて自然の『見立て』から来る調和の感覚を感じてください。そして庭づくりにおける日本的な精神性や想像力について考えてみましょう。

枯山水の庭園の奥に掛川城が見えます

👀03. 掛川グランドホテルによる掛川産スイーツを庭園で味わう

令和4年(2022年)にはスイーツカフェがオープンしました。離れ1階の座敷で、地元・掛川グランドホテルによる『竹の丸スイーツカフェ』を提供しています。

上段の間のお座敷で、掛川茶や抹茶のお菓子など掛川産の極上スイーツを味わうことができます。

季節を感じる美しい庭園を見ながらゆったりとした時間を過ごしてみてください。

掛川の茶畑をイメージしたケーキ
スイーツだけでなくランチのメニューもあります

竹の丸書院前庭園
所在位置:〒436-0079 静岡県掛川市掛川1200番地の1
開館時間:見学 9:00〜17:00 (入館は16:30まで)
カフェ:11:00~17:00
休館日:年中無休
入館料:
大人100円・小中学生50円
(20名以上の団体の場合、大人80円、小中学生40円)
ホームページ:
【公式サイト】 竹の丸|静岡県掛川市
掛川市観光情報|竹の丸 - 観光サイト

アクセス
JR掛川駅北口から徒歩約12分

参考:掛川市指定有形文化財 掛川市竹の丸パンフレット