掛川100景 【No.11】 二の丸茶室
掛川城天守閣を望みながら、掛川産のお茶を味わえる本格茶室
二の丸茶室は掛川城天守閣のすぐ下にあり、本格的な茶室で掛川産のお茶をゆっくりと楽しむことができます。
日本有数の茶産地として知られる掛川市。
茶文化に理解するうえで重要な茶室はどのようにして作られ、どんな視点で見るとおもしろいのでしょうか?
二の丸茶室をどうミルか?👀
👀01. 『庭屋一如』 日本の伝統が融合する茶室建築の魅力
二の丸茶室は、茶室・和風建築の権威である中村 昌生氏と、日本庭園協会名誉会長である龍居 竹之介氏によって造られました。
二人の共通の価値観は『庭屋一如(ていおくいちにょ)』。
これは「庭と建物は一心同体である」という考え方で、二の丸茶室においてもこの思想が隅々まで行き渡っています。
二の丸茶室は木造平屋建、一文字葺(いちもんじぶき)の伝統的な数寄屋造り(すきやづくり)が特徴です。
格調の高い小間『桔梗庵(ききょうあん)』と、気軽にお茶が楽しめる立札席があり、ここまで本格的な公共茶室は全国でもめずらしいといいます。
👀02. 生産だけでなく、消費の文化でも高みを目指すための茶室
掛川市は当時日本一の茶生産量を誇っていましたが、公共の茶室がないため、市民からは「茶室を造ってほしい」という要望が寄せられていました。
当時の市長・榛村純一氏も、二の丸茶室に対して並々ならぬ想いを持っていたようです。
二の丸茶室では、茶草場農法で作られた掛川茶(煎茶と抹茶)を堪能でき、お茶に添えられたお菓子もすべて掛川のものです。
単に地産地消に取り組むのではなく、地産地消を「さらに高い文化レベルで実現しよう」と形にしたものが二の丸茶室といえるでしょう。
👀03. 四季折々の茶室体験を二の丸茶室で楽しもう
二の丸茶室では、四季の行事に合わせて『七夕茶会(毎年7月7日開催)』『お月見茶会(毎年9月15日開催)』など、色々な茶会が開かれています。
1人だとなかなか敷居が高い茶室体験ですが、こうしたイベントに参加することで気軽にお茶を楽しむことができます。
茶室から見える四季折々の景観を楽しみながら、ぜひご一服(いっぷく)ください。
◼️ 抜け道&寄り道100景~二の丸茶室
将棋の王将戦の会場として二の丸茶室が使われることがある
二の丸茶室では毎年6月10日は〇〇の音を聞きながらお茶を飲める
まちを歩きながら『庭屋一如(ていおくいちにょ)』を感じる場所を探してみよう