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掛川100景 【No.63】 カンガルーム掛川

新たな保育と仕事の両立の形に挑戦するカンガルーム掛川


「カンガルーム掛川」は、掛川市にある企業主導型保育施設で、2017年11月に資生堂掛川工場の敷地内に開園しました。

この施設は、資生堂の「先進的な育児と仕事の両立」(こどもも社員も真ん中の育児と新たな価値を実現する仕事の両立)の実現を目指す保育施設であり、社員だけでなく、地域住民も利用可能な保育所として運営されています。

まわりを木々に囲まれ、自然豊かな環境の中にある保育園。
従来の保育施設にはなかった、新たな保育の形に挑戦するカンガルーム掛川の魅力を探ります。


カンガルーム掛川をどうミルか?👀

👀01. 自然やアートに触れる!森や文化施設に囲まれた遊び場

カンガルーム掛川は、資生堂掛川工場・資生堂企業資料館・資生堂アートハウスに隣接し、広々とした敷地の中にあります。

周囲を木々に囲まれているため、子どもたちは四季折々の自然を肌で感じながら、のびのびと過ごすことができます。

落ち葉で遊ぶ子どもたち。楽しそうです

また園庭の広さも余裕を持ってつくられており、子どもたちの遊び場が十分に確保されています。

特徴的なのは「園庭に遊具を置かない」という独特のアプローチ。
これは、子どもたちの自由な発想と創造力を育むための工夫です。

遊具に頼らず、自然の中で自ら遊びを見つけ出す経験は、子どもたちの探究心や想像力を刺激し、豊かな感性を育むのに役立ちます。

園内にある坂を使ったソリ滑りが大人気。自然の中で遊んでいると体を動かす機会が増えるそうです

さらに、カンガルーム掛川の魅力は自然環境だけにとどまりません。

隣接する資生堂掛川工場や資生堂企業資料館、資生堂アートハウスなどの文化施設も、子どもたちの学びの場として活用されています。

資生堂企業資料館と資生堂アートハウスに挟まれた敷地内には、想像をかきたてるオブジェが並んでいます

これらの施設を通じて、子どもたちは資生堂の企業文化やアートの世界に触れる機会を得ることができます。

👀02. 主体性や自信を育む保育を実践するカンガルーム掛川

カンガルーム掛川の保育方針は、子ども一人ひとりに寄り添い、その主体性や自信を育むことに重点を置いています。この方針のもと、子どもたち自身がやりたいことを追求できる環境づくりに力を入れています。

子どもたちの成長を後押しする、さまざまなプログラムを実施しています

専門講師を招いての体操、英語、リトミックなど、多様なプログラムを定期的に実施しており、子どもたちの多面的な成長を後押し。また子どもたちの活動を施設内だけにとどめず、積極的に外に出歩く機会もつくっています。

加えて特徴的なのが「異年齢保育」です。
年齢の異なる子どもたちが一緒に過ごすことで、互いに学び合い、社会性を育む機会を提供しており、これは実社会でのコミュニケーション能力や協調性を育むうえで重要な経験となります。


室内は木の温もりに溢れていて過ごしやすそうです

👀03. 資生堂ならではのプログラムや地域活動とは?

カンガルーム掛川では、資生堂の企業理念と専門性を活かした独自のプログラムや地域活動も展開しています。

その代表的なものが、新生児から使用可能な資生堂のベビースキンケア製品を用いた保湿・紫外線ケアプログラムです。

このプログラムは、単に子どもたちの肌を守るだけでなく、スキンケアを通じて親子のコミュニケーションを促進する狙いもあります。

日常的なスキンケアタイムを設けることで、親子のふれあいの機会を増やし、絆を深める効果が期待されています。

子どもたちにとって、ふれあいは大切なコミュニケーションです

また資生堂は積極的に地域活動もおこなっています。
2024年には掛川市と協力して、SDGsイベント「掛川GENKIプロジェクト」に取り組みました。

このプロジェクトは『化粧のちから』と掛川市に集積する資生堂の文化・生産拠点を活用し、掛川から日本全国を元気にすることを目標としています。

一連のプロジェクトの中で、カンガルーム掛川はベビースキンケアに関する情報発信を通じて、地域の保育に貢献しています。

👀04. 新たなサービスに挑戦。掛川市と連携して『保育園留学』をスタート

カンガルーム掛川の最新の取り組みとして注目を集めているのが、2024年10月30日から開始された「保育園留学」サービスです。

このサービスは資生堂が、留学プログラムを提供するキッチハイク、掛川市、そして資生堂の100%子会社であるKODOMOLOGYと連携して実現したものです。

保育園留学は1〜2週間、子どもをカンガルーム掛川に通わせながら、家族で地域に滞在できるプログラムです。

このサービスは、リモートワークの普及に伴い注目されている地方でのワーケーションや、首都圏の子育て世代が持つ「子どもに自然の中での体験をさせたい」とのニーズに応えるものとなっています。

加えて保育園留学は、海外からの期待も集めています。
「日本の教育を受けさせたい」と考える海外の子育て世代は多く、すでに他地域で展開されている保育園留学では、多くの外国人ファミリーが本プログラムを通じて日本を訪れています。

カンガルーム掛川への保育園留学を希望する外国人ファミリーからは「森のような自然環境に囲まれて学ぶ体験を魅力的に感じた」「資生堂商品のファンで参加したいと考えた」といった声が届いているそうです。

自然豊かな環境はカンガルーム掛川の大きな魅力です

カンガルーム掛川が提供する、自然環境を活かした保育、資生堂ならではの特色あるプログラム、そして地域と連携した新サービスの展開。

従来の保育の枠を超えた取り組みは、新しい保育の形を通じて豊かな未来を描くための挑戦といえるでしょう。

◼️ 抜け道&寄り道100景~カンガルーム掛川

  • カンガルーム掛川からは、新幹線が走っている様子を見ることができる

  • カンガルーム掛川には、子どもの発達行動を研究することを目的とした「KODOMOLOGY_INSTITUTE(コドモロジー インスティテュート)」が併設されており、大学などの外部機関からの研究協力依頼に対応している

学びの問い

「子どもの成長にとって大切な環境とは何だろう」
「日本の保育と世界の保育にはどんな違いがあるのだろう」


カンガルーム掛川
・所在位置:静岡県掛川市下俣762-1
掛川市子育て総合案内サイトかけっこ

アクセス
[車の場合]東名掛川ICより西へ約8分(資生堂企業資料館・資生堂アートハウスと同じ敷地内)