掛川100景 【No.27】 国安海岸
遠州灘に面した、風車と自然美が広がる海岸線
『国安海岸(くにやすかいがん)』は、遠州灘に面し、掛川市が有する全長約10kmの海岸線のうち、菊川河口附近エリア(かつての城東郡国安村)に位置する海岸です。
隣り合う千浜海岸など、附近の海岸一帯を総称し、大浜(海岸)と呼ばれることもあります。
遠州灘の海の幸(しらす・ひらめ・とらふぐ)や地元で『ハタミ』と呼ばれる貝、海岸砂地畑での農作物で知られ、強い風を利用して周辺エリアでは風力発電もおこなわれています。
潮風が心地よい海岸で、リフレッシュの場としても親しまれています。
国安海岸をどうミルか? 👀
👀01.鳥居越しに眺める初日の出
砂浜に12月末~期間限定で設置される『鳥居』は、国安海岸の風物詩です。
元旦には、遠州灘の水平線から昇る初日の出を楽しむために、多くの人々が国安海岸へやってきます。
鳥居越しに輝く朝日と遠州灘は絶景ですが、鳥居そのものにもご注目ください。
地元の宮大工『飛鳥工務店』が製作する高さ3メートル以上の鳥居は、クギをいっさい使用しない伝統的な工法で組み上げられています。
しめ縄を飾り、お祓いを受ける様子がニュースに取り上げられて、平成13年(2001年)から25年以上継続する国安海岸の名物になっています。
👀02.自然を生かしたアクティビティ
国安海岸では、自然を生かしたアクティビティも盛んです。
国安海岸周辺には、太平洋岸自転車道、大東総合運動場、大東海浜公園、船を停泊させるマリーナや海の家、温泉、キャンプ場もあります。
海流が速いため、遊泳は禁止されていますが、ウィンドサーフィンやサップなど、強い風と波を生かしたマリンスポーツが盛んです。
(水上オートバイを利用した水難救助訓練を実施するなど、海の安全を守る活動も行われています。)
自転車道でのサイクリングや、フィッシング、ビーチイベント、競技大会の場としても親しまれています。
👀03.遠州灘沿岸の斜め海岸林
地上からは分かりづらいですが、遠州灘沿岸の斜め海岸林は、国内唯一の貴重な景観として静岡県景観賞に選ばれています。
『斜め海岸林』とは、掛川市から御前崎市の海岸で、海岸線に対し斜めに造成されている海岸林のことです。
激しい偏西風『遠州の空っ風』と飛砂を受け流す知恵として、100年以上もの年月をかけて地域住民が造成し、その距離は多層的に50kmを超えます。
現在も維持管理がおこなわれ、地域の発展に寄与しています。
👀04.『掛川潮騒の杜』と海岸線地域ビジョン
東大日本大震災以降、日本全国の海岸線エリアでは津波対策がおこなわれています。
掛川市では海岸防災林強化事業として、平成26年(2014年)から『掛川潮騒の杜』整備に取り組んでいます。
海岸林の地盤を高くして、クロマツや広葉樹を植栽し、災害に強い森林防潮堤として再生する事業です。
平時には、憩いの場として活用できるようにプロジェクトは進行中。
現在は、樹木が育つ前だけの景色として防潮堤からのパノラマビューが味わえます。
◼️ 抜け道&寄り道100景~国安海岸
国安海岸の砂浜では、風紋と呼ばれる美しい模様が描かれることがある
国安海岸は、ウミガメの産卵や渡り鳥の中継地としても機能している