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掛川100景 【No.51】 天浜線

地域に愛されるレトロなローカル鉄道『天浜線』

天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線(通称:天浜線)は、静岡県西部の掛川市から浜松市北部、湖西市まで続くローカル鉄道です。

全長67.7km、全39駅の路線。列車はディーゼル車両、運転士1名で運行するワンマン運転の基本1両編成で、ほとんどの駅が無人駅です

2025年現在、全39駅中11駅には飲食売店や駅舎ホテルが併設され、地域活性化にも大きな役割を果たしています。


天浜線をどうミルか? 👀

👀01. 沿線自治体と民間で鉄道を運営

天浜線は、旧国鉄『二俣線』を引き継いだ路線です。現在、静岡県や沿線市町の行政、民間企業が出資する『第三セクター』方式で運営されています。

※『二俣線』は、光明電気鉄道線の廃線跡なども利用し昭和10年(1935年)に部分開通し、昭和15年(1940年)に全線開通。昭和62年(1987年)に廃止。

開業当時の面影が随所に残るレトロな路線は、今なお多くの人に愛されており、沿線上の36の建造物・施設は、国の登録有形文化財に登録されています。

国の登録有形文化財に登録されている『桜木駅本屋及び上りプラットホーム』

👀02. 掛川市内に残る開業当時からの駅舎

掛川市内には天浜線の駅が8駅(掛川駅・掛川市役所前駅・西掛川駅・桜木駅・いこいの広場駅・細谷駅・原谷駅・原田駅)あります。

それぞれの駅舎には、地域の歴史文化や風景と調和したデザインなど、ひと駅ごとに特徴があり、中には昭和10年(1935年)の開業当時から残る木造駅舎もあります。

遠江桜木駅(現在の桜木駅)は、昭和10年(1935年)に開業した3ヶ所の駅の一つ

昭和に建てられた木造駅と、平成になって敷設された『掛川市役所前駅』との違いや、駅ごとの特徴を比較してみましょう。

👀03. 駅名にネーミングライツを募集している珍しい路線

天浜線では、駅名ネーミングライツスポンサーの募集をおこなっています。

企業名・学校名・商品名などを、駅に愛称(副駅名)としてつけることができる仕組みで、地域とのつながりが感じることができます。

ヤマハ株式会社がネーミングライツ契約を締結する桜木駅は、ヤマハピアノの生産拠点として『ヤマハピアノのふるさと』と命名されました

天浜線に乗る際は、沿線の景色を楽しむだけでなく、個性豊かな駅の名前にもぜひ注目してみてください。

👀04. 変わりゆく時代に求められる天浜線の役割

天浜線は開業当時、農産物や物資の輸送路としての役割が大きく、第二次世界大戦中は軍需物資や兵士の移動としても使われました。

現在は、地元住民の通勤・通学だけでなく、観光やイベント(沿線ツアーやビール列車など)にも活用されています。

天浜線を走る、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のラッピング列車

時代の流れによって求められることが変化していく中で、天浜線はその役割を柔軟に進化させ、地元住民にとって重要な移動手段であると同時に、地域の魅力を発信する観光資源として重要な存在となっています。

◼️ 抜け道&寄り道100景~天浜線

  • アニメ『サザエさん』のオープニングに天浜線が登場した

  • 受験シーズンになると、有人駅で合格祈願グッズが販売される

  • かつて、「日本一長い名前の駅」記録を持っていた駅がある


学びの問い

「天浜線の車窓風景から感じ取れる、掛川の地理的特性とは?」
「鉄道を単なる交通手段ではなく、地域資源を巡るルートとして捉えてみよう」


天浜線(天竜浜名湖鉄道株式会社)
ホームページ :https://www.tenhama.co.jp/

アクセス
天浜線(天竜浜名湖鉄道株式会社)掛川駅
〒436-0024 掛川市南西郷77-20
JR東海道線・新幹線掛川駅に併設