掛川100景 【No.22】 遠州山中酒造
三層の作業場を持つ、全国でも珍しい木造酒蔵
『遠州山中酒造(えんしゅうやまなかしゅぞう)』は、掛川市横須賀の歴史ある酒造メーカーです。
「醸造は子育て」をモットーに、手間を惜しまない丁寧な作業を日々おこない、地元産の酒米と仕込み水を使用した遠州山中酒造の日本酒は、海外でも高く評価されています。
江戸時代後期の文政年間(この時期に、江戸町人文化が花開き、全国的に商品経済が展開した)に、近江商人の山中家が富士宮市で創業したのが山中酒造のはじまりです。
その後、兄弟が分家して昭和4年(1929年)に遠州横須賀に蔵を構えました。街道に面した趣深い建物は、江戸~明治に建てられたものを引き継いでいます。
遠州山中酒造をどうミルか?👀
👀01.遠州山中酒造の仕込み水は『超軟水』
遠州山中酒造では、南アルプスから掛川市まで、地下でゆっくり磨かれた南アルプス赤石山系の伏流水を、蔵の中で地下120mから汲み上げています。
とても柔らかな水で、年中一定温度(約16℃)の良質な地下水は、酒造り工程の洗米時に、水の吸収を均一にすることができます。
軟水で仕込んだ酒は、硬水に比べて、なめらかでスッキリとした味わいを生み出します。
👀02.伝統製法と最新技術の融合
木造蔵を修繕をしながら、昔ながらの和釜や、古式槽(こしきふね)を使って、伝統の酒造りを守り続ける遠州山中酒造。
その一方で、品質管理のために温度調整を緻密に行える11本のサーマルタンク(発酵をコントロールする冷却装置付のタンク)を導入し、現代の技術も取り入れた酒造りを追求しています。
👀03.海外でも賞賛される『葵天下』ブランド
蔵元みずからの手で酒造りをおこなう自家醸造の日本酒『葵天下(あおいてんか)』は、遠州山中酒造を代表するブランドです。
日本のみならず、フランス、イタリアなど海外でも高く評価され、数々の賞を受賞しています。(酒蔵に併設する蔵元SHOPや、市内のスーパー・酒屋で購入可能です)
『葵天下』のブランド名は、横須賀城と遠州地域一帯が、徳川家康公の天下統一を達成する礎となったことに因んで命名されました。
美味しいお酒を穏やかに楽しめる、 そんな平和な世の中に対する喜び、希求の念が込められています。