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掛川100景 【No.86】 高久書店

掛川のまちの教養と文化を未来へつなぐ本屋さん

「高久書店(たかくしょてん)」は、2020年2月に掛川市で開業した、静岡で一番小さな総合書店です。

店主・高木久直(たかぎ ひさなお)さんの「本屋を植える」という考えのもと、地域に根ざした独自の取り組みを展開。

「まちの本屋さん」として、本の販売にとどまらず、子どもたちの居場所づくりや文化的活動の促進など、掛川のまちの未来につながる活動をおこなっています。


高久書店をどうミルか?👀

👀01. 走る本屋さんとは?わずか10坪の小さな総合書店

高久書店はわずか10坪ほどの小さな店舗ながら、学習参考書から文学、コミック、児童書まで幅広いジャンルの本を取り揃えた、小さな総合書店です。

お店にはいつも店主の高木さんがいらっしゃいます

高久書店の原点は、店主・高木久直さんが2016年に始めた「走る本屋さん」という、本屋のない地域に移動販売車で本を届ける取り組みで、書店開業後の現在も続けられています。

「買うことができる本」に初めて出会う子もいて、おこづかいを握りしめてうれしそうにやって来るそうです

掛川のまちなかに2年以上本屋がなかった状況を変えようと、「本屋がなかったから本から遠ざかってしまっていた」という人たちに、再び本との出会いの場を提供しています。

👀02. 子どもに目を向けた、さまざまな取り組み

高久書店は、子どもたちの目線に立った丁寧な場所づくりがされています。

店内には児童書コーナーや読書スペース、駄菓子の販売があり、親子連れでも訪れやすい雰囲気です。また2階は無料の学習室になっていて、下校時になると中高生が利用している様子がよく見られます。

この日も二人の高校生が真剣に勉強していました

店舗に入ってすぐの一番良い場所には参考書とコミックが並び、子どもたちが必要とする本を大切に扱っていることがうかがえます。

店主の高木さんいわく「勉強の合間に息抜きも必要」とのことで、参考書の隣にコミックを置いているそうです。「立ち読みも自由にできるように」と、ビニールカバーは外されています

また高久書店では2021年6月から毎月、「ペイフォワード文庫」という取り組みがおこなわれています。

ペイフォワード文庫は、掛川の大人たちが次世代にペイフォワード(恩送り)していく試みとして、中高生に本をプレゼントする取り組みです。

毎月送り手となる大人が本を10冊購入し、子どもたちは気になった本を自由に持ち帰ることができます。

フォワーダー(送り手)に興味を持った方は、店主の高木さんに声をかけてみてください

👀03. 本屋を通じてまちに生まれる文化的な活動

高久書店は、本の販売にとどまらず、掛川のまちに新たな文化的活動を生み出しています。

代表的な取り組みが、地元の文芸グループと一緒に開催している「掛川ほんわか俳句大賞」や「文芸高久書店」です。

地元の有志による作品を掲載した『文芸高久書店』

また店の2階では「屋根裏ギャラリー展示」が開かれ、地域の人たちの表現の場としても活用されています。

『キャラメル一粒こばなし一つ展』(展示期間 2025年1月6日〜1月31日)
『みんなの一冊展』(展示期間 2025年2月1日〜2月28日)

高久書店は本を通じて文化的な活動を広げ、掛川のまちの教養と文化を未来へとつないでいます。

◼️ 抜け道&寄り道100景~高久書店

  • 高久書店おすすめの1冊は『ふるさと銀河線 軌道春秋』(高田郁 著)

  • 毎年バレンタインデーになると、チョコをもらえない男子のためにチョコレートが用意されている


高久書店
所在位置:〒 436-0079  掛川市掛川642-1
連絡先:TEL 0537-29-6120 FAX 0537-29-6121
E-mail : books.takaku@gmail.com
営業時間:月曜日~土曜日 10:00~19:00(日曜日定休)
ホームページ :高久書店ホームページ

アクセス
掛川駅から北に徒歩5分
駐車場:高久書店前の駐車場12番・13番「馬場さん(大家さん)」が利用可