
掛川100景 【No.74】 浮世絵美術館 夢灯
浮世絵を通じて江戸時代の掛川を知る私設美術館
浮世絵美術館「夢灯(ゆめあかり)」は旧東海道の険しい峠の頂きにある、私設美術館(館長は武藤勝彦さん)です。
また歌川広重が粟ケ岳を描いたところに建っているため、「ベランダからの景色と作品が一致する」という貴重な美術館でもあります。
葛飾北斎、歌川広重、その他江戸時代後期の浮世絵師の作品を中心に、収蔵数は700点を超え、その中から年に4回テーマを変えて展示。
当時の旅人が味わった景色を追体験しながら、浮世絵を心ゆくまで鑑賞できます。

浮世絵美術館 夢灯をどうミルか?👀
👀01. 掛川周辺の浮世絵が数多く展示されている夢灯
夢灯には、葛飾北斎や歌川広重をはじめとした江戸時代の浮世絵師が描いた、東海道に関する作品が収蔵されています。
浮世絵は、木版画という技術によって広く親しまれた世界最高峰の庶民の芸術。人々の生活景色や名所などを描き、各宿をどのように認識していたかがわかる「庶民のガイドブック」的な役割も果たしていたそうです。
夢灯に所蔵されている浮世絵は、東海道の金谷・日坂・掛川・見附・浜松・舞坂・荒井・白須賀に関する作品です。700点以上の作品の中から、テーマに合わせて作品を選んでおり、行くたびに新しい発見があるように趣向をこらした展示になっています。

👀02. 今と昔の景色を比べて眺める。浮世絵の楽しみ方
夢灯に所蔵されている浮世絵を見ていくと、今まで気づかなかった浮世絵の彫り・摺り(すり)の技法やルールを知ることができ、各宿の特色がわかるなど、さまざまな面白い発見があります。
例えば、歌川広重が描いた『日坂宿』は10枚以上あるのですが、そのすべてに粟ケ岳と夜泣き石が描かれ、『掛川宿』は大池の鳥居が多く描かれるなど、宿の特色がわかります。
東海道の浮世絵は、景色に宿場近くの名所をはめ込むことで宿をガイドしており、描かれた「粟ケ岳」「夜泣き石」「大池の鳥居」は、当時から広く認知されていたのでしょう(夜泣き石はそれほど目立っていたのでしょうか)。
夢灯では、武藤館長から浮世絵鑑賞の見方や見どころについてお話を伺うこともできますので、浮世絵初心者の方でも楽しめますし、浮世絵の魅力を存分に感じられると思います。



👀03. 江戸時代の海道のおもかげが色濃く残る、旧東海道の難所に建つ
「夢灯」のある場所は、箱根、鈴鹿に並ぶ旧東海道の三大難所の一つ、小夜の中山(さよのなかやま)です。現在でも当時のままなのではと思えるような場所が多くあります。
例えば、「夢灯」の横を西に進むと、「二の曲り(沓掛(くつかけ)坂)」と呼ばれた急な傾斜のある曲がり道があります。
美術館に来た際には、道には気を付けながら、江戸時代にこのあたりを通った人の姿を想像して周囲の景色も堪能してください。
また、夢灯のとなりにある「扇屋」は300年以上続く飴屋で、昔のままの製法で作られた「子育飴」がいただけます。



浮世絵美術館 夢灯
所在位置:〒436-0002 静岡県掛川市佐夜鹿298-2
0537-27-2237
開館日:土・日、祝日
開館時間:10:00~16:00
休館日:月~金、年末年始
入館料:大人400円 中・高校生200円(小学生以下無料)
ホームページ :
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アクセス
掛川駅北口より車で30分