掛川100景 【No.37】 掛川駅
掛川と外をつなぐ重要な交通拠点
『掛川駅(かけがわえき)』は、東海道新幹線と東海道本線が交わり、掛川と外をつなぐ重要な交通拠点です。
古くは東海道五十三次において、掛川宿は真ん中に近い26番目の宿場として機能してきました。そして現在、掛川駅は東と西の中間地点・中継地点として、多くの人の往来に役立っています。
掛川駅は明治22年(1889年)に開業し、令和6年(2024年)で135年を迎えました。
掛川駅における長い歴史の中でも、『木造駅舎の保存』と『新幹線駅の開業』は、掛川市民の誇りと熱意を象徴する出来事です。
今回は掛川駅の歴史を辿りつつ、その魅力について考えてみたいと思います。
掛川駅をどうミルか?👀
👀01. レトロと近代が融合したユニークな駅
掛川駅は、木造の古い駅舎と新幹線の新しい駅が一緒にある、レトロと近代が融合したユニークな駅です。
掛川駅の北口にある木造駅舎は、昭和15年(1940年)に建てられたもので、今から85年も前のものです。そして反対側の南口には、昭和63年(1988年)に開業した新幹線の駅があります。
北口と南口を行き来して駅の造りの違いを目にすると、まるで昔と今が同居しているような不思議な感覚になります。
北口と南口を行き来するには、地下自由通路『ほのぼのPASS』が利用できます。
現在(2025年1月時点)通路の壁面には、掛川の魅力を伝えるメッセージが掲載されているので、ぜひそちらも見てみてください。
👀02. 木造駅舎の保存を目指した掛川市民の挑戦
昭和15年(1940年)に建築された木造駅舎は、平成20年(2008年)に耐震化のための建て替えが検討されました。
しかし木造駅舎の存続を願う声が高まり、『掛川駅木造駅舎を保存・活用する会』が設立されるなどして、革新的な方法で保存されることになりました。
平成24年(2012年)から始まった工事では、駅舎をいったん解体し、耐震補強された骨格に旧木造駅舎の姿を再現するという方法が採用されました。
オリジナル駅舎に使われていた和釘や木材は新しい駅舎に再利用されているので、駅の中に入った際はぜひ探してみてください。
木造駅舎の保存には通常の建て替えよりも多額の費用がかかったため、市は寄付金を募り、目標金額の5,000万円を達成。
多くの市民の熱意と寄付によって、木造駅舎の保存(解体復元工事)が実現しました。
👀03. 地域の総力を結集して誘致した掛川駅
新幹線掛川駅は、昭和52年(1977年)に正式に誘致運動が始まり、10年以上にわたる粘り強い活動の末、昭和63年(1988年)に開業しました。
掛川駅の新幹線駅誘致は『請願駅(せいがんえき)』として、地域の総力を結集した壮大なプロジェクトでした。
請願駅とは、地元の要望に応えて設置される鉄道駅を指します。
請願駅には建設費用や資金を地元が負担するという条件があり、掛川駅は市民から1戸あたり10万円の寄付を募り、企業からの寄付も含めて合計30億円もの募金が集まりました。
また開業にあたっては、当時の静岡県内75市町村のうち24市町村から大きな支援と協力を得ています。
👀04. 掛川駅は3つの顔を持っている!?
掛川駅は『東海道新幹線』、『JR東海道本線』、そして『天竜浜名湖鉄道』の3つの路線が乗り入れており、3つの顔を持っていると言えます。
この3つの顔があることで、掛川駅はとても使いやすい駅になっています。
大都市と近くのまち両方に行くことができる利便性があり、朝と夕方は通勤や通学、夜は駅前の居酒屋で楽しみにやってくる人たちも多く利用します。
また駅前通りでは、定期的に出店イベントや音楽イベントが開催されており、駅から掛川城に向けての賑わいを創出しています。
掛川のまちの活性化は、掛川駅を起点に生み出されていると言ってもよいでしょう。
👀05. 駅の中や外にはオブジェや像がいくつある?
掛川駅の楽しみ方の1つが、駅の中や外に配置されているオブジェや像を眺めることです。
駅内外にさまざまなテーマやモチーフで制作された作品は、
いつ創られたのか?
どんな意図で制作されたのか?
を探ることで、掛川市をより深く知るヒントになるかもしれません。
◼️ 抜け道&寄り道100景~掛川駅
駅構内にある『ビジターセンター 旅のスイッチ(掛川観光協会)』では、掛川の名所や見どころを教えてくれる
駅構内にある『これっしか処』には掛川の名産が揃っている