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掛川100景 【No.50】 葛
万葉の詩歌に詠まれ、日本の伝統文化と深く結びついた植物
秋の七草のひとつに数えられる葛(くず)は、マメ科クズ属の多年草です。
日本では古来より葛粉や漢方薬の原料などに用いられてきました。
葛の名産地として知られる掛川には、葛を利用した産業や文化が根付いています。
掛川の葛をどうミルか?👀
👀01.食品としての葛
江戸時代、掛川では葛粉(葛の根から採取したでんぷんを精製)を四角く固めて藁ひもでしばり、軒先に吊るしておく家庭が多く、薬や保存食として生活の中で親しまれてきました。
現在でも、葛粉は掛川を代表する特産品として受け継がれています。
その一例が、掛川市仁藤町にある和菓子店・桂花園で販売されている葛湯『丁葛(ちょうくず)』です。
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お湯に溶かして飲むと、とろりとした食感で体が温まるこの商品は、全国菓子大博覧会で内閣総理大臣賞を受賞しており、掛川市を代表する名品として高く評価されています。
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👀02.繊維としての葛
葛の蔓(つる)から織られる『葛布(かっぷ又はくずふ)』は、日本三大古布のひとつで、宮廷から武家にまで愛された織物です。
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葛布は東海道の掛川宿と共に栄え、掛川藩が参勤交代で江戸にあがる際の土産品としても珍重されていました。
葛布には、防虫・防臭・抗菌作用があり、丈夫で長持ちです。
明治時代に、壁紙『Grass Cloth』として輸出されると、その美しい光沢と耐久性から最高級の壁紙として喜ばれ、注目を集めました。
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掛川市内では、葛布の織元として『小崎葛布工芸』『川出幸吉商店』の2軒が商品を展開し、葛布の振興を図るため組織として『掛川手織葛布組合』『葛利活用コンソーシアム』が設けられています。
👀03.掛川の文化財と葛
掛川のまちを歩くと、歴史的な名所に葛を目にすることが出来ます。
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掛川城:掛川城の天守閣内には、掛川特産の葛を塗り込んだ葛壁があります。また天守最上階には葛布を使用した襖があります。
日坂宿『川坂屋』:掛川藩の藩主が建てた茶室を移築した施設。この茶室の床の間にも葛壁が使われています。上段の間と呼ばれる一室には葛布を使用した襖があります。
竹の丸:江戸時代から続く葛布問屋を営んでいた松本家が本宅として建築。離れ2階の貴賓室の壁紙に葛布が貼られています。
葛がどのように活用されているか、ぜひ探してみてください。
◼️ 抜け道&寄り道100景~葛
葛布・芭蕉布・しな布は、日本三大古布と呼ばれている
100kgの葛蔓から採れる葛糸繊維はたった1%ほどしかない
掛川市の隣、森町には『葛布川』『葛布の滝』がある
小崎葛布工芸株式会社
所在地:静岡県掛川市城下3-4
連絡先:0537-24-2222
営業時間:平日9:00~17:00、土日曜祭日 10:00~17:00
ホームページ :小崎葛布工芸株式会社ホームページ
川出幸吉商店
所在地:静岡県掛川市仁藤町7-3
連絡先:0537-24-2021
桂花園
所在地:静岡県掛川市仁藤町10-1
連絡先:0537-22-2607
営業時間:9:00~18:00
定休日:毎週水曜日
ホームページ :桂花園(Instagram)