掛川100景 【No.42】 掛川茶
全国的にも高い評価を受ける『深蒸し煎茶』
掛川市で作られるお茶は、一般的な煎茶よりも蒸し時間を2倍から3倍長くした『深蒸し煎茶(ふかむしせんちゃ)』が主流です。
日差しをたっぷりと浴びた茶葉は、カテキンを豊富に含み、深く蒸すことで茶葉の中まで十分に蒸気熱が伝わり、濃厚で深い味わいのお茶になります。
掛川市内には500軒以上の茶農家があり、全国でも有数の茶生産地、茶産業・文化の集積地となっています。
目次
掛川茶をどうミルか?👀
👀01.浅蒸し煎茶と深蒸し煎茶の違い
煎茶は、緑茶の中で最もよく飲まれている代表的なお茶です。
(日本茶には、他に玉露・抹茶・茎茶などの種類があります。)
掛川茶の特徴を理解するために、浅蒸し煎茶と深蒸し煎茶それぞれの特徴を比較してみましょう。
【浅蒸し煎茶の特徴】
浅蒸し茶は、蒸し時間が短いことで茶葉が細く美しく伸び、上級な茶葉は「針のよう」と形容されるほど。
お茶を淹れると黄色がかった透明感のある水色になり、味わいは淡泊で繊細。お湯の温度や抽出時間によって味が大きく変わるというデリケートな特性を持っています。
【深蒸し煎茶の特徴】
深蒸し茶は、蒸し時間を通常より長くすることで茶葉が細かくなり、お茶の水色はやや黄色がかった濃緑色をしています。
お湯の温度や抽出時間に左右されにくく、誰でも簡単に美味しいお茶を楽しむことができるのが特徴です。
掛川で収穫される茶葉は葉肉が厚く、味の濃い深蒸し煎茶の製造に適しています。
👀02.お茶と真摯に向き合う匠と世界が認めた価値
茶農家が育てたお茶の葉は、製茶工場で『荒茶』に加工され、消費者に届けられます。味を調整し仕上げる人は『茶師』と呼ばれます。
良質なお茶を生産しようと日々情熱とこだわりを持ってお茶づくりに励む匠たちによって、掛川茶ブランドの価値は高められてきました。
また、2013年に『静岡の茶草場農法(ちゃぐさばのうほう)』が世界農業遺産として認定されたことでも、この伝統農法を実践する掛川市茶農家に注目が集まり、土壌の豊かさや生物多様性の保全が高く評価されています。
👀03.掛川茶の振興とおもてなし精神
掛川市には、掛川茶振興協会や掛川茶商協同組合などの団体があり、市役所には『お茶振興課』という部署が存在します。
有機農業の推進や、海外への展開、茶摘み会や抹茶スイーツコンテストなど、まちぐるみで掛川茶の振興・PRをおこなっています。
他にも、競い合いながらお茶のいれ方などを楽しく学習できる『T-1グランプリinかけがわ』や、まちづくり芸術祭『かけがわ茶エンナーレ』などユニークなイベントも開催されています。
掛川茶は、地域に根差した飲み物として、飲む人に安らぎを与え、会話を弾ませるきっかけとして、来客へのおもてなしや感謝の贈り物に利用されてきました。
茶畑の見学ツアーや、掛川茶を使用したスイーツ、お茶の淹れ方教室など、市内で掛川茶に関連するモノ・ことをいくつ見つけられるでしょう?
お茶に関係の深い場所は、他にも掛川市内に多くあります。お茶をテーマに複数の『景』を巡ると、新たな発見がありそうです。