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掛川100景 【No.57】 粟ケ岳

五感でお茶を感じることができる、掛川市のシンボル的存在

「粟ケ岳(あわがたけ)」は掛川市と島田市にまたがる山で、豊かな自然と文化をあわせ持っています。

木を植えて茶の文字をかたどった「茶文字」が有名で、山頂からは広大な茶畑の景観を目にすることができる、掛川市のシンボル的存在です。

また、約500本の桜が咲き誇る名所としても知られていて、阿波々(あわわ)神社や無間の鐘伝説など、歴史的な要素も豊富です。

山頂には、かっぽしテラスの愛称で親しまれている「粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラス」が整備され、より多くの人々が粟ケ岳の魅力を体験できるようになっています。


粟ケ岳をどうミルか?👀

👀01.粟ケ岳の頂上から眺める絶景

粟ケ岳でまず最初に体験したいのは、標高532mの山頂からの眺めです。

眼下には広大な茶畑が広がり、晴れた日にはまさに大パノラマ。富士山や南アルプス、駿河湾、さらには静岡空港までが見渡せます。

頂上の景色のすばらしさは写真では伝えきれません(ぜひ自分の目で見てください)

山頂へは車でもアクセスできますが、ハイキングコースも整備されているため、ゆっくりと自然を満喫しながら頂上を目指せます。

徒歩の場合、所要時間はおよそ1時間ほど。登山の難易度はやさしく、誰でも気軽にハイキングが楽しめます。

登山の合間に見える景色も素敵です

👀02.古代の信仰と伝承が息づく、粟ケ岳の磐座群と地獄穴

粟ケ岳の山頂付近には、古代の信仰を今に伝える「磐座(いわくら)」と呼ばれる巨石群が点在しています。

磐座とは社殿がなかった時代の祭祀跡で、神々が降臨する聖なる場所として崇められてきました。

山頂に近づくと巨石が現れ、おごそかな雰囲気が漂います

とくに注目すべき点は、磐座群の中心に位置する「地獄穴」です。

この地獄穴は『無間の鐘』伝説によると、地獄と現世を結ぶ通路とされ、欲望のままに無間の鐘をついた者たちが地獄に落ちたと言われています。

古代の信仰の跡を辿りながら、神秘的な登山体験を楽しんでみてください。

👀03.茶草場農法による茶畑の景観と大きな茶文字

粟ケ岳の周辺では、2013年に世界農業遺産に認定された伝統的な茶栽培方法である「茶草場農法」が行われています。

また粟ケ岳は、掛川市のシンボルとして知られる巨大な景観アート「茶文字」が有名です。
この茶文字は1932年頃、東山のお茶のPRを目的に、茶業組合や地元住民の協力によって作られました。

草かんむりの横棒だけでも100メートル以上あるそうです

東山エリアに設けられた「茶文字ビューポイント」からは、茶文字と粟ケ岳の全貌を一望できます。

ぜひ自分でもお気に入りのビュースポットを探してみましょう。

👀04.粟ケ岳でお茶と四季を楽しもう

粟ケ岳の山頂には「粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラス(かっぽしテラス)」があり、休憩しながら景色を楽しんだり、カフェでお茶や地元の特産品を味わったりすることができます。

粟ケ岳のふもとには「東山いっぷく処」があり、ここでも茶草場農法でつくられたお茶を飲むことができます。

テラスの特徴的な形は「かっぽし」と呼ばれ、刈り取った草を束ねて干した状態を模しています

また粟ケ岳は、春には約500本のソメイヨシノ、山桜、里桜が咲き誇り、お花見スポットとしても人気です。

山頂にある阿波々(あわわ)神社では、毎年4月上旬に桜祭りが開催されます。

取材時はちょうど年末で、かっぽしテラスの前には茶草で作られた干支の蛇がいました

◼️ 抜け道&寄り道100景~粟ケ岳

  • 頂上に岩石がごろごろしている山は 「岳」と呼ばれる

  • 掛川観光協会は毎年山の日に合わせて、粟ケ岳に100回以上登頂した人を表彰している

学びの問い

「昔の人が岩を信仰の対象にして居たのはなぜだろう」
「人にとって山という存在はどんな役割を果たしてきたのだろうか」


粟ケ岳
所在地:静岡県掛川市東山

粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラス(かっぽしテラス)
所在地:静岡県掛川市東山1050-1
連絡先:0537-27-0845
営業時間:10:00~16:00
定休日:月曜日 ※テラスの一部やトイレは常時利用できます
掛川市ホームページ: かっぽしテラス

アクセス ※粟ヶ岳ふもとまでの時間
[クルマ]東名掛川I.C.より約35分、東名菊川I.C.より約35分、新東名島田金谷I.C.より約30分 
駐車場(無料)ふもと普通車約30台、山頂普通車約50台
[新幹線]JR掛川駅よりタクシーで約30分、JR掛川駅よりバスで約40分(駅北口7番のりば)※掛川バスサービス東山線東山行き終点「東山」下車